国内SaaS企業の比較(2020年8月)

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ここ最近発信していた通り、殆どの銘柄を利確して現金比率を高めておりました。そして投資先を絞り込み集中投資を進める予定です。それにあたってまずは国内SaaS企業についてざっくり調べてみましたので共有します。

SaaSとは

ご存知の方も多いとは思いますが、SaaSとは何かを簡単に説明しますね。
SaaSとは Software as a Service の略です。このビジネスモデルは非常に優れているとされ、近年各社がSaaS事業を運営、そしてそんなSaaS事業社の株価は右肩上がりを続けておりますので、まだ知らなかったという方はこれを機に勉強していただくことを強くオススメします。

SaaS事業の理解には以下の3冊がわかりやすいです。

ARR

今回はARRが大きな企業9社を選んで比較しています。
ARRとはAnnual Recurring Revenueの略で、毎年繰り返し発生する売上を表します。SaaSビジネスにおいて最重要KPIの一つです。ARRを開示していない企業は、直近のMRRを12倍したものなどを用いています。

ARR

ARRについて少し触れておくと、米国では上場にあたりARR100億円というのが一つの目安になっています。日本でもようやくARRが100億円を超える企業が出てきて嬉しいですね。また、成長率もまずまず高いようです。個人的には成長率は30%以上、少なくとも25%以上は欲しいです。

このARRをどうにかして伸ばそうと各社頑張っている訳ですが、ドライバーは4つあります。

・新規契約数
・アップセル数(金額)
・ダウンセル数(金額)
・解約数

計算式にすると下記のようになります。
MRR = 前月のMRR + 新規契約 MRR + アップグレード MRR – ダウングレード MRR – 解約 MRR

なので現在のMMRに併せて、各社の新規契約数の伸び率やチャーンレートの推移などもチェックしておくと、成長率の増減にもいち早く気付くことができます。

割高チェック

次に各社が割高かをチェックしましょう。
今まで私は割高かはあまり気にしないと発言してきました。しかし市場の様子が変わっています。今までは決算内容さえ良ければ株価が右肩上がりを続けていましたが、米国でDatadogやFastlyなどが、アナリスト予想を超える好決算を出しても株価を大幅に下げるという事態に陥りました。

グロース株でバブル気味だったことへの警戒感なのか、市場全体が弱気になっており利確タイミングを探っていたのか。原因はまだ分かりませんが、株価が高すぎる銘柄は何かを契機に暴落するという事象が複数確認できています。警戒するに越したことはありません。

今回はPSRという指標を使います。
Price to Sales Ratioの略称で和訳は株価売上高倍率と呼ばれます。一般的に割高判断にあたってはPERを用いますが、グロース銘柄には適さないケースが殆どです。グロース企業は粗利の殆どを採用費やマーケティング費に使い営業利益を残さない傾向にあります。利益を出して税金を支払ったり配当金を出すより事業成長に資金を使うことを優先するためです。(だからこそ高成長を実現できる)

そうするとPERは100倍を軽く超えてしまい役に立ちません。そのため小型のテック企業などのグロース銘柄の割高チェックをするにはPSRがうってつけです。

計算式は PSR = 時価総額 ÷ 売上高 です。
しかし急成長を続ける企業においては、直近の数字が大切ですので私は下記計算式で算出するようにしています。

PSR = 時価総額 ÷ (直近の四半期売上高×4)

この計算式で算出すると以下の通りです。

PSR

各社所感

上記のうち数社について掻い摘んで所感を記載します。自分で書いていて何様なんだって思うような偉そうなことを書いていますが、各社にお勤めの方や、ユーザーの皆様、関係者様でお気持ちを害される可能性がありますので、予めお詫び申し上げます。

実は複数のサービスは私自身もユーザーです。各サービスには本当にお世話になっていますし大好きなサービスもあります。あくまでも素人が勝手に感想を書いているだけなのでご了承いただければ幸いです。

Sansan

ARRが最高、かつ成長率も30%ありPSRが10.9倍と割安です。また、直近の決算で初の黒字化を果たしましたね。おめでとうございます!

ここまでは最高の材料が揃っています。しかし懸念が2つあります。一つ目はコロナ。各社が新規サービス導入を控えている中で、Sansanが提供している名刺管理サービスは今すぐ導入しなければならない必須サービスでしょうか。個人的に緊急性が低いため、新規導入を控える企業が増えて成長率が鈍化するのではないかと考えています。

二つ目は市場規模が小さい点。市場規模を大きくできる確信を持てないと言った方が正しいかもしれません。名刺管理サービスだけだと市場規模ってそんなに大きくないと思っています。最大でも数千億とかかなーと。
名刺データを取り込んで管理するだけのサービスで終わるのか、それともそのデータを活用するところまで広げられるかで大きな差が生まれます。しかし後者にいくためには顧客への啓蒙活動・教育が必要です。これらができた先にはクロスセル・アップセルが可能となり、顧客のLTVも高まるため凄く価値が大きそうです。

短期ではコロナの状況下でも新規顧客を増やし続けられるか、長期ではプロダクトをデータ活用まで進化させることができるか。このあたりが重要な判断軸になってくるのかなーと思っています。

freee

会計や人事労務領域でサービス展開をしている企業です。
ARRが高成長を維持している一方で、PSRは35倍を超えてやや割高感があります。私は昔から持ち続けているので良いですが今の市況ですと新規購入はためらう株価ですね。

ただし市場の大きさ、及びトレンド的には抜群だと思います。
まずコロナの状況は追い風です。リモートワークを推進する上で非常に有効です。また、既存顧客がコロナを理由にチャーンするリスクも相当低いはずです。なぜなら会計や人事労務の仕事は会社運営の根幹を支える領域です。ここに入り込んだサービスを簡単にリプレイスすることはできません。

そして何より個人事業主の増加が追い風でしょう。
元々、ここ数年、起業や個人事業主が増加を続けています。コロナでまた一段と増えています。彼らにとって起業の際の申請書類作成や確定申告など諸手続きに際してfreeeが非常に役立ちます。実際、決算書を見ても個人事業主を中心に有料課金ユーザー企業数が増加しておりYoYで31.4%増えています。

有料課金ユーザー数

一方、ARPUや獲得した顧客に対するアップセルやクロスセルを行いLTVをどこまで伸ばせるかが鍵になるイメージでしょうか。いずれにしても非常に期待できる企業だと思っています。

マネーフォワード

ARR80億超、成長率が64%と凄まじい成長を果たしています。一方でPSRは16.8%なので割安水準です。
高成長率の裏側にあるのはスマートキャンプ社のグループ化です。事業セグメントント毎の売上高が分からないため正確な事は言えませんが、既存事業においても40%弱程度の成長率は維持していそうです。

MFB売上高

全事業絶好調の様子です。個人的にはMFクラウドを使用していまして、使い勝手が悪い部分もありますが、引き続き応援したいと思っています。(改善要望は提出済み、改善されることを祈っています)

最後に

今回は新たな取り組みをしたいと思います。
昨日、このようなアンケートを取らせていただきました。

https://twitter.com/Kosukeitou/status/1292430776101826561?s=20

結果、約半数の方が「お金を払ってもいいよ」と仰って頂けましたので、試験的に有料noteを販売させていただきます。有料noteでは、上記内容に加えて、最後に有料note限定の内容も少し記載しております。

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https://note.com/kosu2020/n/na6c2ad75b050

よろしくお願いします。

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