【インド株投資 後編】投資方法や企業、過去のリターンなど解説

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こんばんは、Kosukeです。
先週に続いて、インド株投資の後編を書きます。
今回は具体的にインド株に投資する方法や、投資できる企業、そもそもどんな企業があるのかなど触れていきます。

前書き

前提として凄く重要な事があります。
それは「国の経済成長=株価の上昇」という考えは誤りだということです。

Twitterでインド株投資について呟いたところ、経済成長しているから株価も上がるだろうという事を仰る方が何名かいらっしゃいました。もう一度言いますが、国が経済成長することと株価が上がることはイコールではありません。

なぜなら国が経済成長しても、その成長分が上場企業の売上や利益にまわらない事があるためです。

例えば、経済成長の多くを非上場の中小企業が担っていたら、経済成長分の金額は上場企業の売上・利益には反映されず株主利益にはなりません。もしくは上場企業が巨額の設備投資をしてそれを回収できなければ、GDP上はプラスになりますが、その企業の利益は赤字になって株価は下がってしまいます。

経済成長するから投資!という考えは危険です。
その国が経済成長している、具体的にはどの分野が成長するのだろう、その分野が成長することでどこの企業が果実を得るのだろう。これらを考えた上で投資判断することをオススメ致します。

インドという国に関しては、下記記事でまとめていますので良ければご覧ください。
インド徹底解説。インド投資のためのファーストステップ

ではインドへの投資に関する後編、具体的な内容について解説していきます。

インド株式市場について

まず、インドの株式市場について概略をご案内します。

インドには証券取引所が30箇所あります。ただ、主要な取引所はボンベイ証券取引所とインド・ナショナル証券取引所の2つです。ボンベイ証券取引所は1875年に設立され、アジアで最古の取引所としても有名です。

また、重要な株価指数も2つあります。
一つ目は、ボンベイ証券取引所の「SENSEX」、そしてもう一つがナショナル証券取引所の「Nifty 50」です。各指数の5年チャートは下記のような推移で基本的には右肩上がりです。(青がSENSEX、赤がNifty50、緑が日経225)



SENSEXは時価総額加重平均指数で、ボンベイ取引所に上場している銘柄の中で時価総額が大きい30銘柄によって構成されています。構成銘柄は下記の通りです。

  1. リライアンス・インダストリーズ 
  2. HDFC銀行
  3. インフォシス
  4. タタ・コンサルタンシー・サービシズ
  5. ITC
  6. ONGC
  7. インドステイト銀行
  8. ICICI銀行
  9. ヒンドゥスタン・ユニリーバ
  10. コタック・マヒンドラ銀行
  11. アクシス銀行
  12. ラーセン&トゥブロ
  13. バーティ・エアテル
  14. ONGC など合計30銘柄

最新の業種別ウェイトが出てこなかったのですが、銀行が多く組み入れられているため金融業のウェイトが大きそうです。また、IT企業が多いのもインドならではの特徴かと思います。

Nifty50はナショナル証券取引所に上場する銘柄のうち、時価総額、流動性、浮動株比率等の基準を用いて選定した50銘柄で構成されています。指数の計算方法は、浮動株調整済時価総額加重平均方式です。

これらの指数を見ることでインド株が好調かどうか大凡理解することができるかと思います。

代表的企業の紹介

2018年に世界銀行が発行したレポートによるとインドには5,065社の上場企業があり、その数は世界1位だそうです。2位はアメリカで4,397社、日本は3位で3,652社でした。無数の企業が上場しているので、全社のことを知ることは無理ですし、そんな必要もございません。

ただ、代表的な企業については指数への影響度も大きいため知っておいた方がいいと思います。こちらのパートでは時価総額が大きい10社をピックアップしてご紹介させていただきます。

タタ・コンサルタンシー・サービシズ

インド最大のITサービス企業で、インド最大財閥のタタ財閥の中核企業です。
従業員は世界で44万人、売上は220億ドル超、時価総額は1,000億ドル超という巨大企業です。日本でも規模を拡大しており、従業員は2900名、2020年3月期の売上は776億円にのぼるそうです。


主要事業はITコンサル、及びSierとしてアウトソーシングを引き受ける形で事業を拡大してきました。インドの技術立国化の取り組みにおいては非常に重要な役割を持つ企業として知られています。また、最近はAI事業にも注力しており、AIプラットフォーム「Ignio」の売上が1億ドルを超えるのも近いと噂されています。

ITコンサル+SIの分野は今後も需要が高まることが予想されます。
また、米中貿易戦争の激化に伴い、中国企業のリプレイス先としてもインドが注目されていることから今後も売上は堅調に成長していくのではないかと思われます。

リアイアンス・インダストリーズ

インド最大の石油化学メーカーです。
同社はインド3大財閥の一角、リアイアンス財閥の母体企業です。インドで巨大企業を見ると財閥系が多いです。このあたりは日本や韓国と似ていますね。従業員は19万人以上という巨大企業です。

ポリエステル生産量は世界最大規模、その他プラスチックや石油、ポリマーなどの分野でも存在感があります。また、近年は石油探索・精製事業にも注力しており「アジアの石油メジャー」とも呼ばれています。2019年にサウジアラムコから150億ドルの出資を受けています。

個人的には石油の時代は終わり、データの時代が来ると確信しているので、既存事業の将来性はやや微妙なんじゃないかなーと思っていますが、エネルギーを他国に頼るインドにおいては国策的な一面もあり、当面安定、かつインド国内での存在感はかなり強いものを維持するんだろうと予測します。

また、通信事業なども運営しており、2020年4~6月期連結決算では純利益が1323億ルピー(約1850億円)と前年同期に比べ31%増でした。通信事業を含むデジタル分野が6割増と好調なようです。

HDFC銀行

民間銀行で、貸し出し資産はインド国内トップの銀行です。
住宅ローン最大手のHDFCによって設立されたという経緯をもちます。そのため、現在でもHDFCが20%ほどの株を保有しており、HDFCとの連携が同社の強みでもあります。

時価総額は600億ドル以上、従業員数は10万人強、売上は約200億ドルと、こちらもなかなかな巨大企業です。(参考:三菱UFJは時価総額550億ドル、従業員数33,500人、売上は約490億ドルです)

インフォシス

ベンガルールで設立されたIT企業です。北米・欧州・アジアと広い地域でITコンサルやSI事業を手掛けます。売上の過半は北米です。インドでの売上は全体の10%未満というのも特徴的です。

2019年の収益は1,180億ドルとかなり大きな売上になっていますが、過去10年に渡りずっと綺麗な右肩上がりを続けており今後の成長にも期待できる企業です。また、後述しますが、米ナスダックにも上場している数少ないインド企業です。インドの個別銘柄に投資をしようと考えた際に真っ先に頭に浮かぶ企業の一つと言っても過言ではないです。

日本でインド株を購入する方法

ではインドへの投資方法はどのような形があるのでしょうか。
結論から言うと、原則的にインドの株式市場へ上場する銘柄に個人として直接投資はできません。

インド政府が外国人投資家の持ち株を厳しく制限しています。2012年に規制が緩和され、インドの証券会社に口座を開設すれば投資可能となるそうです。

ただ、手続き含めて大変なので、インドに投資したい場合、一般的には「ETF」か「ADR」を通じて投資することになります。

ADRとはAmerican Depositary Receiptの略称です。
仕組みとしては、米国の金融機関がインド現地でインド企業の株式を購入し、その株式を裏付けとした預託証券を発行、その預託証券を証券取引所に上場させるという形をとります。

証券取引所でこの預託証券を購入する形で、実質的にその企業の株主になることができます。勿論、配当などの株主権利も保有することができますが議決権はありません。

これらETF、ADRは各証券会社を通じて購入することができます。証券会社によって銘柄や商品の取り扱いが異なるため、ご自身が利用されている証券会社にて確認してみてください。

購入可能な商品や銘柄について

ではどんな商品や銘柄を購入できるのでしょうか。こちらの項目で紹介します。(こちらで書くのは個人的な所感です。特定の商品や銘柄の購入をオススメしたり、否定しているわけではございません。投資は自己責任でお願いします。)

ETF

まずETFから確認してみましょう。下記のように国内外で複数のETFを通じてインドへの投資が可能です。

・NEXT FUNDS インド株式指数・S&P CNX Nifty連動型上場投信(1678)
・ウィズダムツリー インド・アーニングス・ファンド(EPI)
・iシェアーズ MSCI インディア(INDI)

いくつかの観点で見ていきます。
まずは経費率に関して。EPIの0.83%やNEXT FUNDSの0.95%などインドETFはいずれも経費率が高い傾向にあります。ちなみに最近人気のQQQは経費率0.2%です。

そして次に乖離率。
例えば、Nifty 50をベンチマークにしているNEXT FUNDSですが下記の通り殆どの期間においてNifty 50をアンダーパフォームしています。(赤がNifty50、青がNEXT FUNDS)

この原因として、ETFの購入や売却などに備える為に一定程度の資産余裕を持たなければいけないこと、組入銘柄の組換え時に発生するコスト等を挙げていますが、ここまで乖離率が高いのは苦しいなーと思わざるを得ません。

これらの理由で個人的にはETFを通してのインド投資はやめておこうかと思います。

ADR

次にADRについてです。
現在、ADRを利用して購入できるインド企業は16社あります。16社の中で直近1年のリターンがプラスになっている銘柄は下記の通りです。

・Infosys (INFY)
・Wipro (WIT)
・Dr. Reddy’s Laboratories (RDY)
・Eros STX Grobal Corp (ESGC)
・Rediff.com India Ltd (REDFY)
・Azure Power Global (AZRE)
・Mahanager Telephone Nigam (MTNL)


また、過去1年のチャートは下記の通りです。
綺麗な右肩上がりになっているののは、RDY、AZRE、INFY、WITあたりでしょうか。他の企業はプラってますが、ややジェットコースター感ありです。

Wipro


結論としては、インドに投資をするならADRを通じての個別銘柄投資が良いのかなーと思います。ETFについては、今後良い商品が登場することに期待ですね。

もしどうしてもインドの主要上場企業に満遍なく投資をしたい、ADRで購入できない銘柄にも投資をしたいという場合にはETF購入でもいいかもしれませんね。例えばインド国内の政治イベントでインド株の上昇がほぼ確実!というような情報を掴んだ時は有りかもです。(私は情報源を持っていないので無理…)

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