株式投資にクリティカル・シンキングが必要な理由

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株の要諦は「安く買い、高く売る」ことです。
しかし、人は往々にして「高く買い、安く売り、損をする」ものです。
なぜそういったことに陥るのか、そして陥らないための思考方法「ロジカル・シンキング」について具体例を用いて解説します。

クリティカル・シンキングとは?

クリティカル・シンキングとは直訳すれば批判的思考。
議論の前提条件が「本当に正しいのか」と疑問を持ち、本質的に正しいことは何かを見極めようとする思考方法です。難しそうに聞こえるかと思いますが、株式投資、特にアクティブ運用をする上では非常に重要な考え方です。

なぜ必要なのか

投資で市場平均以上の結果を出すことは非常に難しいことです。多数の合理的なプレイヤーと凌ぎを削ることになりますが、俄仕込みのテクニカル分析やファンダメンタル分析では太刀打ちできません。

そんな中でも突破口はあります。彼らのミスにつけいることも有効な手段です。聞こえは悪いかもしれませんがマイナスサムゲームである株式投資においては必要な観点です。
では他の投資家はいつミスを犯すのか。市場の雰囲気に飲まれる時です。
活況が続けば高値で買う、暴落すればパニック売する。これはよく見られる光景です。プロと呼ばれる投資家でもしばしば同様の行動をとっています。

株価は高値になれば落ちますし、暴落すれば反発します。
こんな当たり前のことは皆分かっています。皆分かっているにも関わらず、雰囲気に惑わされ、時には極度の楽観視、時にはパニックに陥り判断を誤る人が多いです。
だからこそ高値で売り抜き、暴落した時に買い集めるのです。

暴落すれば反発する。だから買いだって言うけど、投資の格言に「落ちてくるナイフを掴むな」って言葉もあるぞ?

そう思われた方もいると思います。
しかし、落ちているのは本当にナイフでしょうか?皆がナイフだと思って掴まないその会社は、実は果実なのではないでしょうか。
それを確かめるためにクリティカル・シンキングが役立つのです。

投資における実例

具体的な例を挙げて説明します。

■サイバーエージェントの下方修正
2019年1月30日、順風満帆の事業運営をしていたサイバーエージェント社が営業利益を300億から200億に下方修正をしました。

当時のチャートは下記の通りです。

元々AbemaTVへの巨額の先行投資を悪材料視され、2018年7月をピークに株価が下落傾向にありましたが、1月末の決算発表を期に更に暴落しました。
2018年7月13日に6,800円だった株価は、2019年2月8日には半分以下の3,140円の値段を付けました。

ここまで暴落するほどの悪材料だったのか非常に懐疑的でした。
決算資料を見ると下方修正の原因はコスト増でした。決して事業の調子が悪いわけではありません。同業の企業の業績も好調で、好景気に後押しされ今後の見通しも十分良かったのです。

更に当時、社長の藤田さんがブログでこんな発信をしました。

本日、この世で一番聞きたくない言葉「下方修正」を出しました。

https://ameblo.jp/shibuya/entry-12436315278.html

そして今このタイミングで下方修正を出した理由についてこのように説明しました。

1Qから大きく出遅れた中、本当に業績予想の見通しを達成できるのかと投資家に疑念を持たれながら残り9ヶ月という長い日々を株式市場で過ごすよりも、この段階で悪材料を全て出し尽くし、今後のニュースをポジティブなものにして日々過ごした方が結果として株価に良いのではと考えました。

そして最後はこう締めくくります。

今回の修正は、再スタートのラインです。

ここで身を引き締めて出直し、より強い会社になって、またしっかりと増収増益を積み重ねて行きたいと思います。

ここで補足ですが藤田さんは創業社長です。
オーナー企業で勤務経験がある方は分かると思いますが、オーナー社長の声は猛烈に強いです。その藤田さんが「悪材料は出し切る」「コスト引き締めて、増収増益に向けて再スタートする」と”公に発信”したのです。

ここまで条件が揃ったので次の四半期決算に向けて買いだと判断できました。その後、買い戻しもあり3ヶ月ほどで株価は3,140円から4,700円まで戻しました。

本業が好調でここまで期待できる材料が揃っているので、皆冷静になれば買いだと分かるわけです。しかし落ちている時は正常な判断ができない。そのタイミングで冷静に思考して、雰囲気に惑わされずに正しい選択をできるかが非常に重要です。

雰囲気に惑わされない

本日はロジカル・シンキングをテーマにしましたがいかがでしたか?
今回、最も伝えたかったことは雰囲気に惑わされないで欲しいということです。ロジカル・シンキングはそのための手段の一つです。

長く投資をしていると必ず大暴落を経験します。自分の投資先が倒産するのではないかと恐れるでしょう。一方で、好景気も体験して極度の強気になることもあると思います。そんな時にこの記事のことを思い出していただけると幸いです。

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