【超優良銘柄分析】Amazon(AMZN)

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第一回の記事が好評をいただきましたので第2回を書こうと思います。第二回はここ10年ほど破竹の勢いで事業を拡大し続けるAmazonについて解説します。Amazonが凄いことは何となく分かるけど、具体的に何が凄いのか。ビジネスモデルから紐解いていきます。

Amazonとは

まずAmazonがどんな会社なのか抑えましょう。

■概要
創業  :1994年7月
従業員数:613,330人(2018年)
時価総額:1.34兆ドル
売上  :2805億2200万ドル(2019年)
営業利益:115億8800万ドル (2019年)
事業内容:『Amazon.com』、『AWS』の運営・提供

本社はシアトルにありますが、市内オフィスの20%をAmazonが利用しているそうで一時期ニュースを賑わせていましたね。
時価総額は1.3兆ドル超、売上も2,800億ドル超と完全に化物です。チャートは綺麗な右肩上がりですが、特に2016年頃からの上がり方がすごいですね。

Amazonチャート

時価総額は1.3兆ドルで世界4位。サービスが似ていたり創業年が近いため楽天が良く比較されますが、楽天の時価総額は1.4兆円程度。天と地ほどの差が生まれてしまっています。

この理由はビジネスモデルと圧倒的な投資額にあります。

Amazon.com

事業概要

今では誰もが知る巨大ECサービスですが、元々はオンライン書店からスタートしています。現在は15カ国に展開しており、売上は約2,455億ドルに達します。

セグメント別の売上を見てみると下記のような割合でした。

①直販:1412億4700万ドル(前期比14.8%増)
②実店舗:171億9200万ドル(同0.2%減)
③第三者販売サービス:537億6200万ドル(同25.8%増)
④サブスクリプションサービス:192億1000万ドル(同35.6%増)

Amazonセグメント別売り上げ比率

④のサブスクリプションサービスとはAmazonプライムのことです。有料会員課金のみで毎年2兆円くらいのキャッシュを生むって恐ろしいですね。

そしてこの売上規模で2桁の成長率はえぐいです。この成長を支えるキーワードは「物流」と「データ」の2つだと考えています。

強み

何と言っても顧客にとって便利であることが1番の強みであると思います。その便利さを「物流」と「データ」という観点で紐解いてみます。

①物流
私たちがAmazon.com上で買い物をする際、商品の流通経路は2パターンあります。一つ目はAmazonが自社で商品を仕入れて売っているパターン、二つ目は楽天市場のようにメーカーや卸売業者が売っているパターン。

一つ目の自社販売のパターンでは、仕入れた商品を保管するための倉庫や、発送するためのオペレーション、及び配送業務などが必要になります。
また、二つ目のパターンにおいても、商品の保管から配送までをAmazonが代行するFBAというサービスを展開しています。

Amazonはこれらを支える物流機能を自社で保有しています。
この物流機能にどの程度Amazonが投資をしているのか数字で見てみましょう。

\土地や建物など有形固定資産への年間投資額は約100億ドル/


とにかく投資額が半端ないです。年間100億ドルの投資額がどの程度なのかと言うと、「ヤマトHDの有形固定資産は約0.5兆円」「JALの有形固定資産は約1兆円」と聞くと、なんとなくやばい感じが伝わるかと思います。

その結果、商品仕分けの自動化や従業員が歩く必要のない物流センターを作るなど倉庫内作業の効率化を実現しています。また、貨物機を42機運行中で大陸間の物流も実現可能になったり、自社でトラックを持ち配送業も開始しています。

ここまでの投資を積み上げられては、物流においては競合サービスは絶対に追いつけないです。

②データ
Amazonは大量の顧客データを持っており、そのデータ活用にも積極的です。Amazonは自社で商品の仕入れをしていると言いましたが、仕入れてから発送するまでの期間は約1ヶ月強です。

Amazonタイムセール

勿論、上記のように開催されるタイムセールという名の在庫処分など様々な取組をしています。それ以外にやっていることがこれ。

\消費者が注文する前に商品を発送している/


また訳分からないことがでてきましたね。
これは消費者が購入する前から商品の発送を始める手法で、Amazonは2013年に「予期的な発送」ということで特許を取得しています。

仕組みとしては、欲しいものリストに商品を入れたり、商品ページの滞在時間が長かったりした場合に、Amazonが「この人は買う」と判断をして、その人の近くの物流拠点まで商品の発送をしておくというものです。

結果として購入から商品の到着までにかかる時間を物凄く短縮することができます。これらはAmazon.com上で集めた膨大なデータから最適なロジックを見出しているわけです。


以上の2点によって、顧客にとって最も便利なサービスを提供しています。

楽天市場との比較

楽天市場

Amazon.comはよく楽天市場と比較して語られることが多いです。Amazon.comは上述の通り倉庫運営型のECサービスですが、楽天市場はモール型のECサービスです。自社で商品は持たずプラットフォーム運営に徹しています。

かつては在庫を持たないことや、初期投資の安さ、拡大のしやすさ等の観点で楽天市場のようなモール型のECサービスにメリットがあると言われることもありました。しかし下記のような弱点も見つかっています。

・物流品質にバラツキがある
配送を各店舗に任せているので、A店舗では注文から到着に3日かかる、B店舗では2週間かかるなどのバラツキが発生します。

・規模のメリットが働かない
楽天が商品を大量に仕入れるわけではないので、「たくさん仕入れるので値引きしてほしい」などの価格交渉はできません。そのため低価格での提供などはできません。

・利用者の利便性
例えば楽天市場の複数の店舗で商品を購入した場合、発送元が異なるため各店舗ごとに配送料金が発生します。ポイントを配って誤魔化していますが、それは利益率の低下に繋がるわけなので明確な弱点かと思います。

以上3つの弱点がありますので『Amazon.com VS 楽天市場』ではAmazon.comに軍配が上がると思います。

AWS

事業概要

AmazonはAWSというクラウドサービスも展開しています。Amazon.comと比較すると知名度は低いかもしれませんが、2006年にローンチされています。競合はAzureやGCPなどです。

2020年1Qの売上は102億1900万円(YonY+33%)と急成長、かつ初の100億ドル超えを達成しました。営業利益も30億7500万ドル(YonY+38%)と確り利益を出しています。

クラウドサービスにはIaaS、PaaS、SaaSの3種類のサービスがあります。例えばIaaS市場は2018年に31.3%成長しており、市場規模は324億ドルと言われています。AWSはその巨大市場の47.8%と約半分のシェアを獲得しています。(Gartner調査結果参照)

またIaaS+PaaS市場においても約40%と高いシェアを維持し続けています。最近はAzureの成長が著しく、2社で市場シェアの約60%を占めています。余談ですが、最近はAzureの勢いが凄いので私はMicrosoft社の株を買い増し続けています。

強み

①サービスの柔軟性
AWSは仮想サーバーやオンラインストレージ、データベースなど100以上の豊富なサービスを提供しています。これらはパッケージになっておらず、ユーザーは必要なサービスを選択して使用することが可能です。

そのためコストパフォーマンスに優れており、多くのユーザーに好まれて使われています。

またコストパフォーマンスの観点では、過去10年間で70回以上の値下げも行っています。これは規模の経済が働き、サーバーの調達コストや、データセンターやネットワークの維持コストが下がっているためです。

コストが下がった分、Amazonが利益を出すこともできますが、価格を下げてくれるというのはユーザーからしても非常に嬉しいですね。

Amazon.comでも上がりましたが、Amazonは「規模の経済を生かし事業を優位に展開して、顧客にもメリットを還元する企業」と言えるのではないでしょうか。

②セキュリティ
先に断っておきますが、私はセキュリティに関しては専門性が極めて低いので、あくまでも一般論として聞いた話を紹介します。

少し前まではクラウドサービスは怖い、オンプレミスの方が安全と言う人が多かったそうですが、近年は実はAWSの方が安全じゃないかと言われているそうです。

AWSはISOなど第三者認証を多数受けていたり、非常に優秀なセキュリティエンジニアを沢山雇用しています。自社で優秀なセキュリティエンジニアを多く雇用できる企業なんて少ないですよね。であれば、クラウド、オンプレミスどうこうよりも、AWSに任せた方が安全なのではということみたいです。

最近はCIAもAWSの利用を決めたと話題になっていましたよね。

③コミュニティ
AWSの利用者間で「JAWS」と呼ばれるコミュニティが存在します。ここではAWSの利用方法について議論をしているそうです。

クラウドサービスに限らず、多くの人が使っているサービスとは、それだけでも圧倒的な強みとなります。なぜなら、最近は利用者間でのナレッジのシェアが積極的に行われます。そのため、利用者が多ければ多いほど、より多くの情報を取得できます。

AWS利用者が何か困った時に、情報を取得できるコミュニティが存在されているというのも一つの強みではないでしょうか。

伸び代

結論から言うと、まだまだ伸び代はあります。
各国のEC化率を見ると一目瞭然です。最もEC化が進んでいる中国でも20%ほどです。米国が約12%、日本は約8%です。(いずれも2017年)

勿論、全ての購入がEC化することはありませんが、全消費額に占めるデジタルネイティブ世代による消費額の割合が増えるとともに、EC化率が高まると考えるのが自然でしょう。その時に圧倒的に便利なAmazon.comでの購入額が増えるのは必然です。

また、AWSについても今でも高い成長率を維持しています。そして課金モデルが月額制ということですので、仮に成長がストップしてもCash Cowとして大きな収益を生み続けます。
※今、事業成長のための投資をしているフェーズでも年間利益が30億ドル出ています。


以上です。いかがでしたか?
今回は外資ということで、データや情報を集めるのに苦戦しまして作成に3時間もかけてしまいました笑

参考になったと思われる方は、記事のシェアやTwitterアカウントへのフォロー、いいねを頂けると幸いです。

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